気紛れです。

ソファーに仰向けになり小説を繰っていると微睡が襲ってくる。それにまかせて眠りに入ると、夢を見た。

母親(実際の母親ではない)と弟(実際の弟ではない)と僕(小学5年生位)が古いアパートの一室にいた。僕は母に虐げられ、これから罰を受けるらしい。そして母は畳の上に雑然と横たわっている様々な長さ、太さの角材でお前がこれから磔になる十字架を作れと言った。僕はこれからどこかに連れて行かれ、自作の十字架に磔になり、罰を受けるらしかった。

僕は角材の中から自分の体躯に見合うものを探した。しばらくして母は僕らを残して部屋を出た。戻ってくるまでに十字架を作っておけと言った。

僕は頑強な十字架と脆い十字架を二つ作ることにした。

母が十字架の出来を尋ねてきた時には頑強な方を見せ、いざ磔になる時には脆い方を使用し、母の間隙を縫って力を込め、十字架を壊し逃げるつもりだった。

逃げるなら母不在のその時だったのではないかと今になって思うが、その時は逃げられないという考えに固執していた。

角材を漁っていると、一見頑丈そうでも少し圧を掛けてやると割れる様なものがいくつかあった。その中から短めのと長めのを見繕い簡単に釘を打って体に合わせてみる。が、体より十字架は小さくしっくりこない。込み上げてくる焦りを感じながら他の角材を選んで同じ様にしてみるが、自分に合う十字架はついに出来ず、目が覚めた。

分析のし甲斐がありそうな内容だけど、心理学者の言うことは当たっていないし(分析の正誤は判然としないので)、当たっていても誰にだって分かることだから、特に何も思いません。